こんにちは。ビーグルソフトの真鍋です。
今年に入り、AIに関するご相談をいただく機会が増えてきました。内容としては、「AIを使って業務を効率化したい」「これまで人が行っていた作業を自動化できないか」といったものが中心です。
実際にお話を伺うと、AIとの相性が非常によい業務もあれば、「AIなら何でもできるのでは」と期待されているケースもあります。AIは非常に便利な道具ですが、万能ではありません。得意なことと苦手なことがあります。
そこで今回は、業務改善という観点から、AIが比較的得意とする領域を3つに整理してみます。
なお、ここでは生成AIを中心に「AI」と表記します。
1. 情報の抽出と要約
AIが得意なことの一つが、文章や帳票などから必要な情報を取り出し、整理することです。
例えば請求書を考えてみます。
請求書には一般的に、
- 請求日
- 請求元企業
- 請求金額
- 請求内容
- 明細
といった情報が記載されています。
ところが、実際の請求書のレイアウトは取引先ごとに異なります。
取引先が10社あれば10種類、新しい取引先が増えれば、さらに新しい形式が増えていきます。
従来のシステムでは、「この位置に請求日がある」「この欄に金額がある」といった形で、帳票ごとのルールを決める必要がありました。
一方、AIは請求書という文脈を理解したうえで、レイアウトが異なっていても、請求日や金額、明細などを取り出すことができます。
つまり、
形式はバラバラでも、意味としては共通している情報を処理する
ことが得意です。
この特性は、請求書だけでなく、議事録、問い合わせ内容、報告書、アンケートなどにも活用できます。
文章から必要な情報を抜き出す「抽出」と、内容を整理する「要約」は、AIを業務で活用するうえで非常に使いやすい領域です。
2. 検索
AIは、自然な言葉で質問できることも大きな特徴です。
従来の検索では、検索キーワードを考える必要がありました。
一方、AIに対しては、
「この資料の中から、売上が減少している原因について書かれている部分を探して」
といった形で、そのまま指示することができます。
AIは、学習によって身につけた知識をもとに回答するだけでなく、インターネットや指定した資料など、外部の情報を参照して回答することもできます。外部の情報を利用する場合は、必要な情報を探し、その内容を読み取り、整理して回答します。
例えば、インターネット検索や社内文書の検索と組み合わせることで、質問に関係する情報を探し、その内容を要約したり、複数の情報を比較したりすることができます。
社内文書や業務データを対象にする場合には、RAGと呼ばれる仕組みを利用することもあります。RAGでは、質問に関係する文書を検索し、その内容をAIに渡して回答を生成します。
重要なことは、AIは単純に「検索結果を並べる」だけではなく、必要な情報を探し、読み取り、整理するところまで一連で行えることです。
そのため、情報量が多い業務では特に効果を発揮します。
3. 論理的な整合性チェック
AIは計算そのものが特別得意というわけではありません。
一方で、情報同士を比較し、
「ここだけ他と違う」
「この数式は周囲のパターンと合っていない」
といった違和感を見つけることは比較的得意です。
例えばExcelで、
- 多くの行では同じ計算式が使われている
- 一部だけ参照先が異なっている
- 項目名と数式の内容が一致していない
といった場合です。
AIは周囲のセルや項目名、計算式を比較し、構造的な違いを見つけます。
つまり、
正しい答えを計算するというより、周囲との整合性を確認する
使い方です。
これはExcelだけではありません。
文章の前後関係、業務フロー、ルール、データの並びなどについても、矛盾や違和感を探すことができます。
実務では、この「少しおかしいところを見つける」という使い方が、意外と役に立ちます。
AIを業務で活かす
ここまで見てきたように、AIには比較的わかりやすい得意分野があります。
- 情報の抽出と要約
- 検索
- 論理的な整合性チェック
AI活用を考えるときは、
「AIで何かできないか」
と考えるよりも、
「今行っている業務の中に、AIが得意な作業はないか」
と考えた方が、実際の業務改善につながりやすくなります。
AIは万能な道具ではありません。
一方で、人が時間をかけて行っている情報整理や確認作業の中には、AIとの相性がよいものが数多くあります。
まずは現在の業務を整理し、その中に「抽出」「要約」「検索」「整合性チェック」といった作業がないかを探してみるところから始めるとよいでしょう。
AIに関することもご相談をお受けしております。お気軽にお問い合わせください。
